週刊少年ジャンプで連載中の卓球マンガ、『P2!』をちょっと変わった視点から紹介するサイトです。
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江尻立真先生の『P2!』は週刊少年ジャンプで連載中の卓球マンガ。主人公を務めるのは、運動オンチの少年、藍川ヒロム君。↓タマネギと間違われる中学一年生です。
ですがこのコーナーでは、ヒロムではなく、副主人公格と思われる眞白(ましろ)祐也君を中心にP2!を紹介して行きたい、と思います。その方が、P2!の魅力が伝わりやすいからです。
↑眞白君。そばかすがチャームポイントな中学一年生。第10話(step10)を超えた辺りから、存在感を発揮し始めます。
眞白君やヒロムが所属する久勢北中学は、卓球の名門、王華学園と練習試合をすることになりました。彼らは一年生なので、普通なら試合に出られません。ところが眞白君は・・・・
レギュラーの山雀(やまがら)先輩に勝負を挑み、強引にレギュラーの座を奪い取ってしまいます。
↑敗北し、打ちひしがれる山雀君。山雀君は一年間レギュラーを目指して努力を積んできたのに、入部間もない眞白君にレギュラーを奪われてしまいました。
こういうパターンは、少年マンガのスポーツものでは、よくあるといえばよくある展開です。『テニスの王子様』なんかでは頻繁にやってますね。部活の上下関係より、純粋に強いものが試合にでるべき、というのがジャンプマンガの基本。負けたほうはショックを受けつつも、部活では団体行動が大事。恨みを引きずることなく、試合になれば負けた相手にエールを送る−−というのが爽やかな、スポーツマンガの王道といえますが・・・・・・
このP2では、
↑試合中だというのに、引きまくりの久勢中の皆さん
そして、山雀君は・・・・・・・↓
「負けちまえ」
え?
(あんな奴負けちまえ!)
リアルだ。リアルすぎる!少年マンガの爽やかさはどこへ?P2!、ジャンプのスポーツマンガとはとても思えない!
敵地、王華学園での練習試合。熱い声援を送られる相手選手に引き換え、ヒロム以外に応援してもらえない眞白君は、体力の限界にきて倒れてしまいます。しかし・・・・・
黒い!ドス黒だ!黒すぎる!
爽やかさのカケラもないよP2!可愛らしい画柄からは想像もつきません・・・・
可哀想な感じの眞白君ですが、彼も相当な黒さの持ち主です。
そもそも彼は、どうして強引にレギュラーの座を奪おうと思ったのか?
実は王華学園卓球部の監督は、彼の父親でした。 両親は離婚し、眞白君は母親に引き取られていたのです。2年前、お母さんが病死。ところが父親は、葬式の席に姿を見せませんでした。葬式の日が、卓球の大会に重なっていたため、そちらを優先したのです。
この仕打ちに憤った眞白君が考えたこと。それが、
当時の大会で活躍した王華の選手−−−父親が母親より優先した2人−−を、監督の前で打ち負かす
という復讐でした。そのためにわざわざ、遠縁の養子になってまで・・・・
↑眞白君の対戦相手、何も悪くないのにめちゃくちゃ恨まれてる鰐淵君。
「思いだせ 二年前のあの日 アンタが何処にいたのかを!」
・・・・・・・えー、負けたところで、事情を知らない鰐淵君はそんなこと思い出さないと思うのですが。
完璧な八つ当たり。お母さんを亡くして、眞白君は冷静さを失ったままなのでしょうか?
いえ・・・・
「これは ただの 八つ当たり」
「だけど 僕は 王華を憎む」
眞白君、承知の上でした。「いいこと」と信じて悪いことをしている子よりも、「悪いこと」と承知で悪いことをしてる子の方が、数倍性質が悪いです。劣勢に立った試合で、眞白君の黒さはさらにエスカレート。
「憎い」「憎憎憎憎」
「もっとドス黒い感情を!」
肉肉肉肉!
卓球って、怖いスポーツなんですね。
ジャンプマンガにしては珍しく魔球や超人的プレーが出てこない変わりに、ドス黒い人間関係がはびこる『P2!』。この傾向がいつまで続くか、期待しています。眞白君大暴れが始まるのは、この2巻から。↓