コミックス 『ラルΩグラド』(ラルグラド)を分析するページです。
 (リンク・アンリンクフリー)

 毎週土曜日までに更新(土曜発売の週は月曜くらい)


 『ラルグラド』発売中のコミックス一巻。七話まで収録。
    楽天↓
   


   

   



 
 
 初登場のキャラクター


 ラルグラド ラル・グラドが完全に融合した姿。光の世界では人間、闇の世界ではカゲとして存在できる。

   


 感想  

      

 ●最終回

 ああ、やっぱり踏みとどまれなかったか。

 ものすごく残念ではありますが、ジャンプという戦いの場で打ち切りにされることを敗戦とするならば、最低限の敗戦処理はできたのではないかなあ・・・と思われます。フェニックス戦でラルが人間とカゲの狭間である自分の存在に葛藤し、それなりの結論を見出した描写がありましたが、あれは、この最終回でのラルの選択を違和感なく読者に受け入れてもらうための布石だったのではないかと。13話くらいのアニメにするならば、結構すっきりまとまるのではないでしょうか。

 ●剥き出しの物語

 『ドラクエ』『ハリポタ』をファンタジーの王道と見るならば、『ラルグラド』は普通のゲームやアニメでスルーされがちな「性欲」を採りあげているという点で、ダークファンタジーという定義にあてはまるでしょう。第二話辺りの感想で述べたことですが、ラルもカゲも原始的な性欲を満足させてくれるもの(ミオ先生のおっぱい、ビラ様)に惹かれて戦うという意味では同じで、そういう構図はファンタジーの源流であるギリシャ神話やヒンドゥー教なんかの我儘な神様同士の戦いを彷彿とさせるものでした。健全で道徳的な現代のファンタジーが捨ててしまったそれらの要素を、上手く拾い上げ、新しい形で楽しませてくれるのがこの『ラルΩグラド』なのではないかと期待していたのですが・・・amazon等の感想を読む限り、そういう部分は多くの読者に受け入れられなかったようです・・・あくまで異世界の物語、我々の世界とは道徳や正義も異なることだってあり得る、と広い視点で見てもらえればなあ・・・敵地に乗り込んだ辺りからラルの性格に修正がかかり、そのせいで人気が失速して行ったように感じるので、最初の路線を貫きとおせる状況なら、もう少し続いたかもしれないのに。つくづく残念です。

 ●MVP

 結局『ラルグラド』全編を通して一番印象に残ったのは、ラルでもガネットでもなく、ビラ様の周囲でワイワイ騒いでるその他大勢のカゲたちでした。幼児の性欲を具現化したようなその姿と振る舞いは(考えてみれば彼らはこれまで肉欲とは無縁の平面で不老不死の世界にいたのですから、初めていやらしいものに触れる子供と大差ないのでしょうが)おそらくこの作品の裏テーマと思われる、「欲望賛歌」を多分、体現した存在でした。こいつら、ビラ様が死んでどうするのだろう・・・・




これにてラルグラド感想は終了。第一話から最終回まで休みなく更新することができ、それなりに手ごたえを得られました。皆様、最後までお読み頂き、本当にありがとうございました!                                                  →過去の感想






TALE 28 run 感想 (週刊少年ジャンプ31号)
 
 
 初登場のキャラクター

 ブラックライノセラス 特殊融合の一匹。触れる生物全てを吸収する。




 感想  

      

 ●閣下五騎士、一瞬で全滅

 この展開の速さは、打ち切りが約束されたようなもの・・・下手すれば次回で最終回か・・・・確かに最近のジャンプは駄目な作品少ないけれど、面白いのになあ、ラルグラドも・・・

 ●女王攻略法

 女王がクリアヒューマンであること
 特殊融合はしていないらしいこと=サード?
 この二点を確認することが、ウレイノヒトミ(睨んだだけでカゲを殺せる能力)の打開策に繋がっている様子。そこから何が導き出されるのか、考えても判りません。おそらくこの辺りは、連載がどの程度続くにせよ、鷹野先生が以前からかなり練り上げていた発想があるはず、最後の最後に、終わるのが惜しいと思わせるほどのサプライズを見せてもらいたいものです。

 ●ブラックライノセラス

 今までのカゲの中で一番気持ち悪い。性欲中心っぽいとはいえ感情豊かな一般のカゲとは異なり、心というものが感じられないわりに中途半端に人間の顔を持っているからかもしれません。




最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想




TALE 27 awake 感想 (週刊少年ジャンプ30号)
 
 
 初登場のキャラクター



 マキリ 鋼鎌獣(デュールフォシュモンス)。新たにミオを宿主とする。

 


 感想  

      

 ●最終回の予感

 本気でヤバイ・・・来週辺り、「俺たちの戦いはこれからだ!」でいつ終わってもおかしくない・・・・・・なんとか、踏みとどまってくれ・・・!

 ●お手軽

 町の外で呼びかけるだけでゲンズイの宿主になったスンスもそうですが、このマンガ、カゲを入手する方法がめちゃくちゃお手軽だと思います。

 ●見ただけでカゲを殺せる

 ああ、『ウレイノヒトミ』って、ビラ様に心酔してるカゲでなくても効果アリなんですね。だとしたらフェニックス以上に反則っぽいこの能力をどう凌ぐのか・・・・加えて、最近連載が始まった『瞳のカトブレパス』の主人公も似たような力の持ち主なので、同じような「見ただけで敵を倒せる能力」に対してそれぞれどのような対抗策が描かれるのか(ラルグラドでは主人公サイド、カトブレパスでは敵サイドが)両作品の競作的な楽しみ方ができそうです。問題は、両作品が打ち切られずに済むか、ですが・・



最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想


TALE 26 Strength 感想 (週刊少年ジャンプ29号)
 
 
 初登場のキャラクター



 なし

 


 あらすじー

 不死身のフェニックスに対し、ラルたちは再生できないよう、細切れにした破片を人海戦術でくっつけないようにする作戦を敢行。強大な敵に団結力で立ち向かう人間たちに可能性を見出したフェニックスは、戦いを止め、何処かへと飛び去るのだった・・・・

 感想  

    

   

 ●人海

 中国では洪水の際、ハイテク機器などを使用するより、数の利を活かして、人民解放軍が土嚢を次々と積み上げて濁流を塞き止める方策を採っていると聞いたことがありますが、今回の、フェニックスに比べれば無力に近い人間たちが大勢で破片を抱き止めるという作戦は、なんとなくその話を連想させました。考えてみれば、カゲたちには本当の意味での「団結」や「協力」の概念はなさそうなので・・・フェニックスが人間にも勝機を見出したのは、そういう部分なんじゃないかなあ。

 ●よく考えたら

 でも、よく考えたら今回の決着、当のヤヤちゃんにとっては解決でもなんでもないわけですよね。強制的に取りつかれたまま、今後は、少しは自分の意志も尊重してもらえるのか?

 ●不死身対策

 『倒しても死なない敵をどうするか?』という設問に対して、『説得(に近い方法)で敵でなくなってもらう』という解答を出したラルは、やはり、ジャンプマンガの主人公の内でも、極めて異色だと重いました。



最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

TALE 25 Scream 感想 (週刊少年ジャンプ28号)
 
 
 初登場のキャラクター



 なし

 


 あらすじー

 ヤヤは自分の意志で人間に敵対しているのではなく、幼い頃からその身に宿していたレッドフェニックスの支配を受けていた。

 感想  

    

   

 ●趣味

 ええと・・・ヤヤは自分の意志を持てない、彼女の行動は全てレッドフェニックスに操られていたというわけで・・・つまり彼女のゴスロリ衣装はレッドフェニックスの趣味・・・いい趣味してるなあ。

 ●こだわり

 ヤヤにフェニックスがとりつけられた、おそらく数年前の回想シーンですが、人間との融合が足りないためか、ビラ様、現在に比べて化け物じみた姿をしてますね。普通の作家さんならこの辺りの設定を忘れて今と同じビラ様の姿を描きがちですが、そこらをしっかり抑えてある鷹野先生は流石。あるいは、小畑先生の配慮でしょうか?



最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

TALE 24 Fate 感想 (週刊少年ジャンプ27号)
 
 
 初登場のキャラクター



 なし

 


 あらすじー

 不死身のレッドフェニックスに対し、活路を見出せないラル一行。激戦の中、ラルが再確認したのは、カゲと人間が両立し得ない存在であること、特別融合のカゲを宿した自分には、戦い続ける運命しか残されていない、という過酷な認識だった・・・・・・

 感想  

    

   

 ●ヤバイ

 掲載位置もそうですが、長年ジャンプを読んできた経験から、「このマンガ、打ち切りを考慮に入れてまとめに入っているな」という手ごたえがなんとなく判るようになりました。今回のラル・ガネットの運命論とか、かなり危ない印象です。ただし、最近の漫画家さんは打ち切りでも綺麗に終わらせることを考えて、「打ち切りの保険」のような描き方をすることも多いので、それほど心配はしなくていいかも?

 ●ガイラに「弱い」と見なされた宿主は食べられます

 ホワイトタイガーの宿主にされるのは強制、しかも見切りを付けられたら殺され食べられる・・なんかアレですね、ガイラは自分の目的を果たすために人間を利用してる、というだけで、人間に対するフレンドシップとか全然ないんですね。まあ、根本的にはラル・グラドの関係も同じようなものかもしれませんが、ここまでドライな結びつきも珍しいですね。



最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想


TALE 23 immortal 感想 (週刊少年ジャンプ26号)
 
 
 初登場のキャラクター



 なし

 


 あらすじー

 瀕死のスンスを戯れに蘇らせたヤヤ。「死なないカゲ」であるレッドフェニックス相手に、ラルたちはどう戦うのか?

 感想  

    

   

 ●超反則

 スタンドだの持ち霊だのアルターだの、「自分の思い通りに動く幽霊みたいな存在」が出てくるアニメ・マンガは今や一つのジャンルになってる観がありますが、そういう設定では、互いのダメージが互いに影響を及ぼすというデメリットがあるのが普通。「どちらも死なない」なんてヤヤ・フェニックスコンビは卑怯にも程があります。

 で、その反則キャラの倒し方(懲らしめ方)ですけど、カゲである以上、「完全な暗闇」はやはり弱点なんじゃないかと。そこで、前々回仲間にした男たちを使って人海戦術を繰り広げ、なにか工作的なアイデアでヤヤを暗闇に閉じ込める―――なんてどうでしょうか

 ●闇世界ではカゲは全員、不死身

 グラドをはじめ、多くのカゲが闇世界に戻りたがってることにようやく納得。そりゃ戻りたいはずですよ。むしろ、ビラ様の色香に惑わされた程度で不死身を捨ててしまった大部分のカゲたちが、考えがなさすぎに見えちゃいます。あるいは闇世界、「デスノート」の死神界みたいに娯楽に乏しかったのかも?



最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

 
TALE 22 doll 感想 (週刊少年ジャンプ25号)
 
 
 初登場のキャラクター



 ヤヤ   闇女王に味方する少女。特別融合の一体、レッドフェニックスの宿主。  


 あらすじー

 カゲにさらわれた女性たちの下にたどりついたラルたちの前に、レッドフェニックスを宿す少女、ヤヤが立ちはだかる。人間らしい感情を持たないヤヤに、スンスが瀕死の重傷を負わされる・・・

 感想  

    

   

 ●タブー

 ジャンプマンガで、子供の腕が千切れるのを見るなんて、いつ以来だろうか・・・・・

 これでスンスが死んでしまったら、「子供が子供を殺す」というもっと陰惨な展開になり、そうなればヤヤが仲間になることはないでしょうから、おそらくガネットかラルがヤヤを倒すことになり、前者なら「大人が子供を殺す」、後者なら、「女の子至上主義のラルが最大のタブーを犯す」という、どちらにしても真っ黒な話運びに突入です。

 だからおそらくスンスは死なないと思いますが、殺してしまった後の救いようのない決着もちょっとだけ見たい気がする・・・・・

 ●おあづけ

 前回期待を持たせた集団戦は今回、ナシ。シミュレーションRPGっぽいラルΩグラド、結構楽しみにしてたのですけど・・・

 ●ミオ先生の「人間じゃない」発言にラル、動揺

 ラルΩグラドが、完璧なハッピーエンドで終わることはなさそうな気配が。ラルはミオ先生とも離れ、カゲとともに暮らすエンディングになるのではないかと。そう考えると、「クリアヒューマン」はやっぱり、ラル自身か?



最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

 
TALE 21 freedom 感想 (週刊少年ジャンプ24号)
 
 ラルΩグラド、 RPGからシミュレーションに路線変更か?。 

 初登場のキャラクター



 ミーシュ   セノルに取りついたカゲ。カゲを携帯し、人間に付ける能力を持つ。

 


 あらすじー

 ラル一行に加わりカゲに捕らえられた女性たちを助け出すことに同意したガネットだったが、その前に別の場所に捕まっている男たちを戦力にするべきだと主張する。ミーシュの能力とガネットのカリスマ性により、全員がカゲを持つ千人規模の兵団が編成されるのだった・・・

 感想  

    

   

 ●戦力不足

 「女たちを守るカゲが多すぎる」とのことですが、それは、闇女王本陣を守るカゲも同じのはず。ということはガネット、最初から、捕まっている男たちを助けるつもりだった?

 ●スンスとラルの反応

 ガネットの発言に対して、いちいちつっかかるのがスンス。憎まれ口を叩きながらも、その才覚を認め、意見に従うラル。二人の性格と精神年齢がわかりやすく出ていると思います。

 ●男には興味の無いカゲたち

 ルシルの例を見る限り、カゲって女の体にもなれるみたいなのに、性欲はオスのものしかないんですかね?

 ●ミーシュの能力

 ガネットの言葉だけでは、説明不足に思えます。人間に取り付くだけなら、ミーシュの能力に頼らずとも単体のカゲでもできることなので、「宿主がいないままのカゲを携帯して持ち運べる姿に換え、再び解除できる」というのが正確な能力でしょうか。

 ●「自由と女を取り戻し 楽しくやろうぜ!」

 囚われていた男たちを一気に駆り立てたような、ガネットの言葉。本当にこのマンガは、気持ちいいくらい、欲望全肯定を貫きますねえ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

 



TALE 20 Change 感想 (週刊少年ジャンプ22・23号)
 
 いきなりタイトルでネタバレ。大胆だなあ。 

 初登場のキャラクター

 あらすじー

 スンスと共に、ガネットに対して決闘を申し出たラルは、勝利した場合の条件として、自分たちとともにカゲに捕らえられた人々を助けるよう要求する。事前に互いのカゲを入れ替えておくという策略に引っかかり、相打ち寸前の状況に持ち込まれたガネットは、潔く敗北を認めるのだった・・・・・・

 感想  

 ガネット一行、パーティに。いい人化は、仲間入りの前フリだったのか。   

   

 ●カゲの入れ替え

 「え、そんなことできるのか?」と初読時は思いましたが、「ホワイトタイガーは何度も宿主を変えている」(11話)「ルシルを襲ったカゲが、コブラに宿主の変更を要求」(15話)と伏線はしっかり張ってありました。少なくともガネット本人は入れ替わりを予想しえたわけで、悔しがるのも当然。

 ●「あっ、ガネット様 ダサっ」「あはは」

 「わたしのガネット様が負けるなんて!」というような反応かと思ったら、意外とドライなお付きの二人。ガネットを盲目的に信頼しているわけでもないのか?

 ●ラル、やっぱり合理思考

 前回、仲間の大切さを再確認したラルは、自分のエゴを後回しにして仲間の家族の救出に向かうだけでなく、それまでライバルしていたガネットをも仲間にすることを決めました。自分の考えが間違っていたと悟れば、とことんまで方針を変え、最も合理的な行動を採る・・・実にラルらしく、同時に「ラルグラド」らしい描写だと感じられました。単純に「友情!」と連呼するスタンダードな少年漫画とは異なり、仲間を戦力として冷静にとらえてる賢さが伺えますね。

 ●レッドフェニックス・ブラックライノセラス・クリアヒューマン

 明らかになった、その他の特別融合の存在。敵か味方かも判らないそうですが、一体くらいは閣下五騎士の一匹として出てきそうです(悪そうなイメージの、ブラックライノセラスか?)問題はクリアヒューマンですが、人間型だという以上、「実は、普通の人間だと思われていた既存のキャラクターがカゲだった」というサプライズ的な登場をしそうな気がします。その場合怪しいのはカゲを持たないミオ先生か、一番読者に衝撃を与えそうな主人公のラル自身ということになりますか・・・ラル自身がカゲだったとしたら、闇世界を取り戻した後、大好きな女の子がいる人間界から離れないといけなくなるわけで・・その辺の葛藤がドラマを生みそうです。

 あ、でも、カゲは宿主がいないと実体化できないという縛りがあるわけで・・・やっぱり、この推測は成り立たないのかな?

 ●組み合わせ

 ガネット一行が仲間に加わったことで、ラル・ミオ・アイア・カフカ・スンス・ガネット・リーラ・セノルという大所帯になりました。ここで注目したのは、男女比が上手く1:1になっているということ。先週のスンス・アイアを見て思ったのですが、キャラクター的にお似合いの二人がそれぞれ作れそうな感じです。ラル・セノル、カフカ・リーラ、スンス・アイア、ミオ・ガネットなんてどうでしょう?  

最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

TALE 19 Next 感想 (週刊少年ジャンプ21号)
 
 ガネット、急速にいい人化。 

 初登場のキャラクター



 なし 


 あらすじー

 ラルたちのピンチを、再びガネットが救う。ガネットやスンスの言葉から、仲間の大切さを再確認したラルは、冷静さを取り戻し、ビヨンに扮していた偽者を瞬殺、グラドとの融合能力を利用して、ビヨン自身をも退けるのだった。・・・

 感想  

 「ラルグラドらしさ」がようやく戻ってきた感じです。   

   

 ●ほとんど自力で切り抜けたラル

 「仲間の大切さ」を認識しながらも、ビヨン(と偽者)を退けたのは、ラル自身の冷静な判断とグラドの能力でした。ラルは基本的に万能タイプなので、仲間に頼って株を落とすこともないこの展開は、とても自然でリアルに感じられました。

 ●ビヨンは偽者

 なんか時々片言の外国人みたいな喋りになったり、子供の不意打ちを受けたりと、頭はあまり良くなさそうなビヨン様ですが、カゲとしての能力は流石に高い模様。グラドが力ずくでなんとかできない攻撃(蜘蛛の糸)は連載開始以来初めてで、地味にポイント高いです。← というのが前回の感想でしたが、「頭の良くなさそうな」ビヨンは偽者で、蜘蛛の糸だけが本物の能力だったと判明。やはり幹部クラスだけあって、本物とは何度も対峙することになりそうです。

 ●応用能力

 今回、ラルがビヨンを撃退するためグラドに行わせた「影を伸ばして別の生物の神経系を操ろうとする」攻撃は、ルリーア街で女性を誘拐していたブロック型のカゲが使用していた方法です。ミオ先生の知識がなければビヨンの糸を警戒できなかったという弱点を示した直後に、情報さえあればそれを応用できるという「知識はなくても知能は高い」というスペックの高さを見せつけてくれたラルでした。

 ●ガネットVSスンス

 ラストで、スンスをガネットに炊きつけるラル。どう考えてもスンスが勝てるとは思えないので、仲間の大切さを知ったラルのこと、二人のわだかまりを解き、ガネット一行を仲間に加えるつもりではないでしょうか?いい人っぷりが目立ってきたガネットのこと、何だかんだ文句を言いながらパーティに加わってくれそうな気もします。

 最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想

TALE 18 Companion 感想 (週刊少年ジャンプ20号)
 
 ラル株の暴落が著しいです。 

 初登場のキャラクター



 なし 


 あらすじー

 ビヨンの張った網に無警戒で飛び込んだラルは窮地に陥った。スンスとアイアが救助に向かうが、力及ばず、大量のタランチュラに襲われてしまう・・・

 感想  

 スンスとアイアはお似合いなんじゃないかと思いました。年齢も近そうですし。   

   

 ●ユッサユッサ

 ユサユサ揺れる蝙蝠獣の中で何かをしている様子だったガネット一行。これまでは少年誌で描けないことをしてると見られてましたが、普通にトランプみたいなゲームをしてるという健全っぷりでした。まあ、トランプをしながら不健全なことをしてたのかもしれませんが・・・・

 ●ビヨン

 なんか時々片言の外国人みたいな喋りになったり、子供の不意打ちを受けたりと、頭はあまり良くなさそうなビヨン様ですが、カゲとしての能力は流石に高い模様。グラドが力ずくでなんとかできない攻撃(蜘蛛の糸)は連載開始以来初めてで、地味にポイント高いです。

 ●クルクル

 これまでは「影が長く伸びる」という特性から、主に偵察向きのカゲと見なしていましたが、第四話でラルがグラドの影を伸ばしてパチンコみたいに飛んでいったことを考えると、「影が長く伸びる」=「遠隔地からの奇襲が可能」ということなんですね。スンスがやろうとしたように、一撃必殺の能力を持つカゲを一緒に飛ばすことで、攻撃要因としても相当に役立ちそうです。

 ●仲間

 今週のタイトルが示しているように、次週は仲間で協力してビヨンを撃退することで、単独行動を取ろうとしたラルが、パーティで力を合わせて戦うことの大切さを再確認するという展開になると予想。でも、このマンガはファンタジーの王道から少し離れている部分が魅力の一つなので、単純な「仲間って大事だなー」的ただの「いい話」では終わらないで欲しいです。

 最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想
 
TALE 17 Confess 感想 (週刊少年ジャンプ19号)
 
 掲載位置がヤバ目? 面白そうなキャラも出てきたことですし、挽回なるか。 

 初登場のキャラクター



 ビヨン   閣下五騎士の一匹。蜘蛛と蝶を合わせたような形状のサード。




 あらすじー

 ガネットが残して行った地図により明らかになった情報を巡り、カフカたちとラルに意見の相違が持ち上がる。カゲに囚われた女性たちの救出を急務とするカフカたちと、真っ先に闇女王を倒しに向かうことを主張するラル。単独行動を選択するラルに、ミオは取り残されたような寂しさを覚えるのった。一方、闇女王は、閣下五騎士の一匹、ビヨンに侵入者の掃討を命じた・・・

 感想  

 ここに来て、主人公の性格や信念に揺らぎが生まれているのが少し残念なのですが・・・    

   

 ●ちっちゃいミオ先生

 これまで謎だった、ミオ先生の年齢が大体明らかに。話かけられて答えられるくらい成長したラルを3歳くらいと見積もると、その頃のミオは外見から7〜10歳くらい。現在ラルは15歳なので、ミオ先生は19〜22歳くらいと推測できるようになりました。青(性)少年ラルに対する物分りの良すぎる態度から、ひょっとして三十路超えてるのでは?という予想はどうやらハズレみたいです。

 ●闇女王とラルの因縁

 グラドがラルに取り付いたのも、ラルが闇に幽閉されるはめになったのも、考えてみれば闇女王が人間界に侵出したせいではあるんですよね。ただそのことに関して、これまでラルの口から女王を恨むような発言が飛び出さなかったので、今回、ラルが女の子より女王を殺すことを優先したのは、少し唐突に感じられました。

 ●ガネットの思惑

 「闇女王を倒す」という大きな目的のために「さらわれた女性を救出する」という小さな目的を後回しにしたガネットですが、だからといって小さな目的がどうでもいいというわけでもなく、そのための格好のサポートとして見つかった人材がラルだった。強大な力を持ちながら、女の色香に騙されて死にかけたほどの女好きであるラルなら、自分の代わりに女性の救出をまかせられるのでは―と考え、わざわざ地図を残して行ったのではないでしょうか。「こえーものをこえーを思わねー奴が早死にすんだ」という最後の発言からも、ガネットという男、見かけよりはるかに思慮深い人間であると感じられました。

 とはいえ、結果的にラルが彼の思い通りに動かなかったのは、ガネットの誘導が読めないほど馬鹿なラルではなく、「あえて誘導に乗ってやろう。その方が効率がいいから」と大人な考え方ができるほど賢くもなかった、ラルの複雑な成長の度合いを読めなかったせいでしょう。

 ●ビヨン様

 蜘蛛の糸って、お尻の辺りから紡ぎ出されるものです。

 で、よくマンガで蜘蛛人間とか出てきますけど、そいつらの糸の出し方は、胸元だったり口や掌だったりで、ビヨン様みたいに、リアルにお尻から糸を出す蜘蛛人間は、滅多に見ない気がします。割と端正な外見とのミスマッチもあって、ビヨン様の変態度が際立っていますねえ。これは、『武装錬金』のパピヨンに匹敵するような、『ラルグラド』を代表する名物キャラになってくれるかも?

 ●エスだのエムだの詳しいカゲの皆さん

 お前ら、第二話の段階では「種付け」がどういう行為かも知らなかったくせに・・・・短期間に、どれだけ無駄な知識が身に付いたんだ・・・・

 最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想
 
TALE 16 Vexation 感想 (週刊少年ジャンプ18号)
 
 ラルとスンス、秘密の特訓。なんて王道なんでしょう・・・ 

 初登場のキャラクター



 ジーガ   ルシルの正体。サード。




 あらすじー

 ラルに取り入り、不意をついて瀕死に追い込んだルシルの正体は、ファーストを付けたサード、ジーガだった。とどめを刺される寸前だったラルを、通りかかった剣士ガネットの一行が助け出す。ラルの迂闊さを笑い、仲間のスンスをも侮辱したガネットの言葉に、雪辱を誓うラルだった・・・・

 感想  

 ルシル(ジーガ)あっさりと退場。これは意外。    

   

 ●カゲそのものだったルシル

 前回の感想で、ルシルはカゲに味方する人間ではないか、と予想しましたが、それどころかカゲそのものでした。その場合、前回ラルが倒したカゲたちは、ジーガの正体を知らない捨て駒だったことになります。いくらカゲでも、同胞を使い捨てにするなんて平気なのか?と疑問を覚えましたが、よく考えたら女王様の共食い奨励を受け入れるくらいの希薄な仲間意識なんですよね。

 ●ジーガ

 ガネットにより、あっさり退場してしまったそのジーガですが、結構見所のある敵だったのではないかなあ・・・と思われました。「頭が悪い」と評されるカゲとしては珍しいほど、込み入った作戦を立てていたからです。

 第一に、ラルの弱点を正確に把握していたこと。「女に弱い」だけでなく、「巨乳好き」も考慮して、貧乳の美少女と巨乳のブサイクを掛け合わせたというのですから、相当なリサーチ力です(笑)

 第二に、敵の能力に合わせた対策をとったこと。ラル一行には、カゲを嗅ぎ分けることのできる犬、ヌイがいます。だから美少女に化けただけでは、すぐにばれてしまう。そこで、「ヌイが反応しても不自然ではないように」わざわざファーストであるコブラとセットになって誤魔化したわけです。ここまで考えられるジーガ、相当な数の人間を食べたのではないでしょうか?

 ●ラルとスンスの特訓

 ミオ先生は泣くほど感動したみたいですが、正直、二人のやっていることは的外れに感じられます。ラルは決して無力なために敗北したのではない、敵地で初対面の女の子に気を許したために窮地に陥ったわけで、(5話でカフカが警告した通り)スンスのパワーアップはともかく、ラル自身は、心がまえにおいての成長が肝心でしょう。

 とはいえ、基本的に頭のいいラルがそんなことに思い至らないとは思えませんので、スンスと組になってガネットを見返す方法、たとえば合体技などを練習しているのかもしれませんが・・・

 最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                  →過去の感想
 
TALE 15 Snake 感想 (週刊少年ジャンプ17号)
 
 待ち望んでいた、敵方の人間がついに登場か? 

 初登場のキャラクター



 ルシル   敵地でカゲの軍勢に取り囲まれていた少女。

 コブラ  ルシルに取り付いている、蛇タイプのカゲ。




 あらすじー

 敵地に乗り込んだラルは、カゲに襲われていたファースト付きの少女、ルシルを助け出す。ルシルの大きい胸と従順な態度に魅せられたラルは、ミオにないがしろな態度をとり始める。しかしルシルに誘われて二人きりになったとき、不意を付かれて首筋を刺され、意識を失ってしまうのだった・・・・

 感想  

 ラルがどんどん駄目になって行く・・・・大丈夫かなあ?    

   

 ●ルシルはビラの手先?

 ラルをだまし討ちにしたことは確かですが、問題はそれが闇女王のためにやったことか、独自の目的があってしたことか、という点が疑問。前者だとしたら、ラルが女の子(とおっぱい)に弱いことを前情報として知った上で、自分の武器を最大限に活用したことになります。ラルにとっては、ある意味最大の敵ですね。

 ●どんどん株が下がるラル

 ミオ先生をぞんざいに扱うわ、色香に惑わされるわでいい所なしに思われた今回ですが、それでも評価したいのは、おそらく正攻法でも倒せる相手に対してさえ、策を利用して全滅させた、ということです。敵地に上陸していることも考え合わせると、どんな雑魚だろうが、最小の労力で片付けられた方がいいからです。

 ●本当に騙されたのか?

 とはいえミオ先生に対する態度、ルシルにのめり込んでいる様子が、ルシルの裏をかくためのラルのお芝居だった、とも考えられます。最後の方も、実は意識を失っていなかったとか・・・その場合、どこでルシルの怪しさに気付いていたか、次回辺りで種明かしがあるかもしれません。ストラ城でのストラ姫への態度を見る限り、ラルは無条件に巨乳の女性に惑わされるわけではなく、またミオ先生を別格に位置付けているっぽいので、こちらの想像があたって欲しいのですが・・・・・

 最後までお読み頂き、ありがとうございました!                                                 →過去の感想
 
   

 

ガーターベルトの通販サイト inserted by FC2 system